食卓が家のまんなか。

食卓が紡ぐ、家族の物語。

あなたの家には、家族が自然と集まる「真ん中」がありますか?かつて多くの家庭にあった和室のように、誰もが心安らげる団らんの場所。現代の住まいで失われがちなその温もりを、「食卓」に取り戻す提案です。食卓を家の中心に据えることで、家族の時間はもっと豊かになります。

 

1│和室がくれた温かい記憶

子どもの頃、祖父母の家の和室が大好きでした。こたつを囲んでみかんを食べた冬の日。畳の上で寝転がりながら、祖父の昔話に耳を傾けた午後。親戚が集まれば、部屋はいつも笑い声で満ちていました。

和室は、ただの部屋ではありませんでした。そこは家族のふれあいの中心であり、私の心の故郷のような場所。祖父母から受け取った温もりや、家族の絆を肌で感じた大切な記憶が、今も私を支えてくれています。

 

2│失われた家族の「真ん中」

しかし、現代の住まいはどうでしょう。機能的に分けられたリビングとダイニング。リビングでは家族がソファに座りながらも、それぞれがスマートフォンに目を落とし、会話は途切れがちです。ダイニングでは、食事を終えるとすぐに自室へ戻ってしまう。

便利で快適になったはずの家で、家族が顔を合わせ、心を通わせる時間が失われていることに、寂しさを感じている人は少なくないのではないでしょうか。家の「真ん中」が、どこにあるのか分からなくなっているのです。

 

3│食卓こそが家の心臓部

そこで提案したいのが、食卓を家の中心と捉え直すことです。食事は体の栄養となり、そして食卓での会話は心の栄養となります。

「今日、学校でこんなことがあったよ」「仕事、お疲れさま」。一日の出来事を共有し、励まし合い、時には何でもないことで笑い合う。食卓は、ただ食事をとる場所ではありません。家族というチームの絆を育む、かけがえのないステージなのです。

 

4│食卓を暮らしの主役に

食卓を家族の「真ん中」にするのに、特別なことは必要ありません。例えば、夕食の時だけはテレビを消して会話を楽しむ。週末には、みんなで少し特別な料理を囲んでみる。

そうした小さな意識の積み重ねが、食卓を「ただ食事をする場所」から「家族が自然と集う主役の場所」へと変えていきます。食卓で交わされる笑顔や言葉は、きっと家族の幸せの源泉となるはずです。

 

5│物語が生まれるテーブル

あなたの家の中心は、どこにありますか? そして、そのテーブルには、どんな物語が刻まれていますか?

食卓を暮らしの真ん中に据えることで、家族の時間はもっと温かく、豊かなものになります。さあ、あなたの家のテーブルから、新しい家族の物語を始めてみませんか。

akitsu・秋津

美は、日々の営みの中に。

0コメント

  • 1000 / 1000